二度目は一週間後だったというから、大した肝の持ち主だ。そうやって、幾度となく危機を乗り越えてきたのだろう。

驚いたことに、連れ合いも誘ったというから、それまでの一週間は何だったのだろう。

息子さんが町内会の催で、午後から遊びに出掛けてしまうから、どうしようかという流れだったらしい。

あっさり断られたけれど、暗に出掛けることのお墨付きを得たようで、早々に車を出したんだとか。

その日は芝浦を目指したという。前回よりも出発は遅かったらしいが、道中は順調で三時には目的地に着けたようだ。

公園の近くに駐車して、レインボーブリッジを見上げながら近づいていくと、結構な数の釣り人で賑わっていたらしい。

ちょうど親子連れが釣り上げた魚を針かから外そうとしていて、覗き込んでいたら、お母さんと目が合ったという。


その母さんが微笑みかけてくれたからなのか、五ヶ月前に初めて家族で行った釣行を思い出して、何だかほんわかしたそうだ。

その反対に、次に一緒に釣行出きるのはいったいいつなのか、心配になったとのことだ。

それでも、意を決して飛び出したのが功を奏したらしい。すんなりと受け入れられている気がしたという。

こうやって、独りで出掛けることを繰り返して、既成事実を作っていくことが狙いだったのだろうか。

以外にその時は早くきたらしい。